施工現場で起きていた、見逃せない“異変”
ある住宅のベランダで、水切りの腐食が確認されました。
目視でサビが進行し、塗装の浮きや変色も。
さらに現場では、はっきりとしたアンモニア臭が感じられました。
現場環境や周囲を調査した結果、浄化槽からのアンモニアガスの発生と滞留が原因と考えられました。
アンモニアは腐食を招く? その正体と対策
アンモニアは空気中に放出されると、水分と反応してアルカリ性ガスとして漂い、金属腐食の原因になることがあります。
特にベランダや雨樋付近など、浄化槽とつながる部分では要注意です。
そして、実際に浄化槽周辺でアンモニア臭が強くなるケースでは以下のような原因が挙げられます。
✅ 原因①:アンモニアが室内・外壁に染みついている
→ 解決策:酸性洗剤で中和するのが効果的(※中和にはクエン酸なども有効)
✅ 原因②:浄化槽内のアンモニア濃度が高い
→ 解決策:**まずは“水換え”**が基本。特に1/2以上の水換えが推奨されます。
✅ 原因③:塩素系漂白剤(カビキラーなど)の使いすぎ
→ 注意点:浄化槽の微生物を殺してしまい、悪臭の原因になることも
相模湖水質センターの資料でも、使用量と頻度には注意が必要とされています。
実際の浄化槽トラブル事例
- カビキラーなどの塩素系洗剤は浄化槽の機能に悪影響を与える可能性あり
- ハイター類も、点検時の水質誤認リスクあり
- ティッシュペーパーやたばこの吸い殻など、流してはいけないものの混入も原因に
といったことが示されています。
塗装職人目線でできる“ひと声”
アンモニア臭が気になった際には、
「少しアンモニア臭が強いので、念のため浄化槽の水替えをご検討されると安心です。」
また、鉄部塗装や外壁の腐食が見られた場合は、塩害やアンモニアガスの影響を疑うことも大切です。
匂いは、目に見えない“サイン”です。
気になる異変があれば、それは未来の不具合を防ぐ大事なヒントかもしれません。
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