夏の塗装現場では、気温が高くなることで乾燥が早すぎてしまうというトラブルが起きやすくなります。実際に職人さんの現場でも、こうした問題が原因で塗膜の密着不良やリフティング(ちぢみ)が発生してしまうケースが報告されています。
この記事では、暑い時期に外壁塗装をするうえで注意すべきポイントと、塗り重ねのタイミングや乾燥時間の考え方について解説します。
☑ ️ 「塗り重ね乾燥時間」は、気温や塗料の種類で変わる
多くの塗料製品には「塗り重ね乾燥時間」が指定されています。
例:
- 4時間以上7日以内
ただし、この時間は気温20~23℃前後を想定したもの。夏場のように、壁面が50~60℃に達するような高温環境では、
- 乾燥が想定以上に早く進む
- 分子がフラットになりすぎて次の塗膜が密着しにくくなる
といった問題が起きやすくなります。
⚠️ 乾燥しすぎると「リフティング(ちぢみ)」の原因に
ある現場では、中塗りから10日以上空けて上塗りを行ったところ、塗膜がちぢんでしまうリフティング現象が起きました。
これは:
- 下地が硬化しすぎて密着しなくなった
- 表面にゴミや油分がついた
- 分子構造の変化で化学的に結びつけなくなった
などの理由が考えられます。
**塗り重ね可能時間は“長すぎてもNG”**ということを、ぜひ覚えておいてください。
☞ 膜厚(フィラー系 or シーラー系)による違いも
- シーラーのようなシャバシャバした薄膜塗料は、夏場は3日以内に中塗りするのが理想
- フィラーなどの厚膜下塗りは、比較的塗り重ね期間に余裕がある
ただし、塗料ごとの仕様書や注意事項を必ず確認し、メーカーの指示を厳守することが重要です。
☑ ️ 夏場の外壁塗装で実践したいポイントまとめ
- 塗料の”塗り重ね乾燥時間”を再確認しよう(気温別)
- 下塗り後はゴミ・ほこりが付着しないよう養生や掃除を徹底
- 上塗りまでの日数をあけすぎない(7日以内が目安)
- リフティングを防ぐには「適温・適間隔・適下地」のバランスが大切
- 適切な可使時間と重ね塗りの設計は“現場経験者の判断”がカギ
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