自動車工場の塗装現場に関わる村田さんに、鉄骨塗装の現場や職人目線で見える課題をお伺いしました。
1. 最近の現場:トヨタ車体の塗装ブース新築工事
村田さんは現在、トヨタ車体の塗装ブース新築工事の鉄骨塗装に従事しています。
作業内容と現場の特徴
- 現在は新築の工場内で鉄骨塗装を担当
- 目荒らしなどの下地処理が不十分なまま進むケースが多い
- 他業種との工程が重なり、施工範囲が見えにくい状況
「工場の中は広すぎて、どこを誰がやったか分からなくなることも。指摘された箇所が自分たちの担当じゃないこともあります。」
2. 下請け・孫請け構造と現場管理の課題
この現場は典型的な多重下請け構造で、村田さんは「孫請け」として作業に入っているとのこと。
指示系統の問題点
- 元請けから中間業者を通して指示が来る
- 仕様書に書かれた内容が現場監督に正確に伝わっていない
- 指示を出す監督自身が塗料の種類や施工知識に乏しい
「水性塗料を使うべき現場なのに、溶剤で指示されたこともあります。火災リスクがあるので非常に危険です。」
こうした情報の伝達ミスや施工仕様の誤認は、安全性や品質に直結する重大な問題です。
3. 鉄骨塗装における注意点と現場の現実
鉄骨塗装の施工リスク
- 下地処理(目荒らし)が不十分なまま施工されることがある
- 時間に追われるため、「走る」ような塗装作業になる
- 工期優先で品質が犠牲になる現場も少なくない
「鉄骨塗装はとにかくスピード重視。職人の技術よりも速さが求められがちです。」
施工管理の難しさ
- 現場が大規模で、作業範囲が曖昧になりやすい
- 他業種との調整が不十分で、塗り残しや工程のバッティングが発生しやすい
4. 良い施工体制を見極めるための視点
このような現場の実態から、施主や元請けが意識すべき点が見えてきます。
見極めポイント
✅ 元請けや監督が施工仕様を正しく理解しているか?
✅ 適切な下地処理(目荒らし・脱脂)をしているか?
✅ 材料の選定が施工環境に合っているか?(水性/溶剤の判断)
✅ 進捗管理・指示系統が明確か?
建設現場ではスピードが優先されがちですが、安全性と品質を守るには「仕様通りの施工」と「知識ある監督の存在」が不可欠です。
5. まとめ:現場の声に学ぶ、正しい業者選びと施工チェック
今回のインタビューを通じて、以下の点が浮き彫りになりました。
- 現場の管理不足が品質不良の原因になる
- 多重下請け構造では情報伝達ミスが起こりやすい
- 適切な材料選定・下地処理の重要性
元請けや施主は、現場の末端まで仕様が正しく伝わっているかを確認する仕組みを持つことが重要です。
村田技建では、
- 仕様通りの正確な施工
- 下地処理から丁寧な塗装
- 現場との密な連携による品質管理
を徹底しています。
鉄骨や工場塗装など、特殊な現場での施工をご検討の方は、ぜひご相談ください。
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